phaの日記

パーティーは終わった



 絶版になっていた真木悠介『時間の比較社会学』が岩波現代文庫で復刊されるようだ(→ISBN:4006001088)。発売予定日は 2003/08/20 らしい。
 僕は同時代ライブラリー版を持っています。われわれと異なる時間感覚を持った文化を見ることでわれわれの持っている時間観(われわれがその上を生きている近代的な「時間」)は唯一のものでも絶対的なものでもないことを示し、近代的な時間観がもたらすニヒリズムやむなしさにとらわれない在り方を切実に追求する、素敵な本です。

 <時間の中で現実はつぎつぎと無になってゆく>という感覚、「たえずむなしく消え去ってゆく」というこの感覚のとり方は、しかしけっして人間にとって普遍的な心性ではない。のちにみるように、少なくとも現在までにこの点について調査されているいくつかの文化においては、過去は現在するものとして感覚されている。

 原著では強調部分には傍点が振ってあります。