phaの日記

パーティーは終わった



 部屋でおとなしく本でも読んで過ごそうと、ブックファースト→丸善→ブックオフ→府立図書館と回ってかなり疲れる。だしな。
 今日は佐野眞一『カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」〈上〉』(新潮文庫)を読み通しつつ山田太郎『人間臨終図巻〈3)』(徳間文庫)をところどころめくったりする。
 カリスマは中内功の一代記、ダイエーの発展そして衰亡記。フィリピンから復員してきた中内功が神戸の高架下の闇市から始めてどんどん発展していくのだが、その発展の仕方を中内のアクの強い人格と関連付けながら語っていくのが面白い。
 人間臨終図巻の3巻は七十三歳で死んだ人から百歳以上で死んだ人の死に様を集めたもので、それくらいの年になると大体みんな恍惚としている。
 九十八歳で死んだ梅原龍三郎の九十五歳のときの言葉。

 そのころ、梅原は白洲正子に語った。
「わたしはこの頃、寝ていても起きていてもよく夢を見るんだが、夢の中に今まで見たことのないような美しい景色が現われる。美しい色が見える。だからわたしは、もう絵を描くことは要らないんだ」
山田風太郎『人間臨終図巻〈3)』(徳間文庫)

 この本の中で山田太郎は「画家には長命が多いようだ」って書いてて、それは絵を描くことが生きるうえでのストレスを遮断してくれるからではないか、と言ってて、気になった。それは小説とも音楽とも違う絵画の特性が出ている、のかな。短歌もそれに近いか? 歌人が長命かどうかは知らないが。詩はどうだろう。詩は思いつめないといけないからだめか。