phaの日記

パーティーは終わった

なんだか全て忘れてしまう



もう30という年齢のせいなのか、多分そうなんだろうと思うけど、最近すぐに物事を忘れてしまう。読んだ本の内容などすぐに思い出せなくなる。


漫画などの娯楽的なものだったら「まあ何回も同じもので楽しめてリーズナブルだよね」みたいなことを言えなくもないけれど(そもそも同じ漫画を何回も読み返すのは好き)、何かの勉強のような物事になると以前に調べた同じことを何回も忘れてまたグーグルで検索したり専門書のページを繰ったりしていると本当に何をやってるんだろうという気分になる。自分の頭はかなり役に立たなくなってしまった。

30代くらいからどんどん頭があほになっていくという点に関してみんなどう折り合いをつけているのだろうか。漫画などにときどき「ちょっと前の出来事をすぐに忘れてしまうので忘れないようにひたすらメモをとりつづける人間」というのが出て来るけど、ああいう症状が本当に漫画みたいにあるのかどうかは知らないけれど、それは誰もが持っている根源的な恐怖である気がする。


すぐに何かを忘れてしまうということとともに最近感じるのは、新しい物事に手を出すよりも、昔覚えたことに頼って生きている度合いが増えてきたということだ。例えば音楽にしたって新しい音楽を聴くよりも既に何度も繰り返して聴いたことのある馴染んだ曲を聴くことが多くなってるし、ゲームも昔好きだったゲームの続編やリメイクなら少しやるけど全く知らないものはやる気がしないし、本や漫画も昔から好きな作者のものを何回も読み返したりすることが多くなっている。10代や20代初めに流行っていたものの話題になると「あーこれ懐かしいよねえ」などと懐古的に眼を細めてしまって「おっさんホイホイ」にいいように絡めとられている。

なんか自分の脳みその可塑的な部分はもう固まってしまって、自分の嗜好や思考の幅がもう固定されてしまったように感じる。それは、自分は何が好きで何をしているときが一番居心地がいいんだろうという自分探し的なことでもう迷わなくてすむという意味では楽なんだけど、自分の中に未知の可能性がなくなってしまい、自分の好きなものや自分にできることは全て揃ってしまって、自分の限界が見えてしまったというように感じて、やはり寂しい。


周りを見ると自分より若い人間はどんどん増えていって自分はどんどんおっさんになっていく。10代や20代前半の若い子の元気や体力や才能にはもう本当に敵わない。世界にはどんどん自分より新しいものが増えて行くのに、それと入れ替わるように自分は年をとって柔軟性をなくしてどんどん過去の中に生きるようになってしまう。精神的にも体力的にもこれからめっきり衰えていくばかりのこの体で、あと何ができるんだろうか。

いや、世間を見ると30代とか40代とか、50代とか60代とか70代とかでも面白いことをやってる人はいっぱいいるのでそんなに悲観することじゃないのかもしれないけれど、でもとりあえず自分自身についてはどういうスタンスで生きていけばいいかよく分からんのよねえ。

ゆらゆら帝国 - イエスタデイ・ワンス・モア


過去の記憶は甘いなあ。


1998-2004

1998-2004

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