phaの日記

パーティーは終わった

ギークハウスを作った理由



僕がギークハウスという企画を始めてから既に一年半ほど経ったのですが、そういえばなんでギークハウスなんてものをやっているかについて書いたことがなかったような気がするのでちょっと書いてみます。

最初にギークハウスとは何かを簡単に説明しておくと、要は敷金礼金不要で家具付きのゲストハウスorシェアハウスで、住人をプログラマとかその他ウェブ系の人とかばかり集めて共同生活をしたら面白いんじゃないかって感じの家です。もしギークハウスに住みたい人がいたら連絡をお待ちしています。これから上京したい人とか歓迎です。あとギークハウスを運営できるような家(売り家、貸し家どちらでも)も大募集中です(参考)(僕は貯金が8千円くらいしかないですが良い家であればお金を出してくれるかもしれないあてはあります。現在東京23区内と京都市内を特に募集中)。

日本の不動産システムが嫌い

僕はそもそも日本の家を借りるときのシステムが嫌いなんですよね。家を借りるのに敷金礼金を払ったり更に更新料を払ったりしなくちゃいけなくて、保証人(できれば自分より年長の血縁で収入が多い人だとか)が必要だったり、本人の職業が無職だと貸してくれなかったりとか。なんで家を借りるだけでそこまでさせられなきゃいけないんだって思う。

このシステムのせいで社会の風通しが悪くなってるのはあると思う。例えば敷金とか払えないからある程度の収入はあってもネットカフェ難民になってる人とかいるし、また、やりたいことがあるから上京したいけど敷金とか礼金とかのお金が払えないのでできない、、、なんて人がいるのもすごく勿体無いことだと思う。

外国とかだとよくあるみたいに、一ヶ月分のデポジットさえ預けてくれればそれで充分というようなのがいいです。そもそもこんなシステムじゃ、まともに仕事をせずにふらふらしている僕が家をまともに借りられないし、僕は1年に1回くらい引越しをしていろんなところに住みたいと思ってるので、敷金礼金保証人などで転居コストが高いのは嫌なのです。

僕は2年前の夏まではタイのバンコクで仕事をしてたんですが、仕事をやめてニートになって日本に帰国してからは、日本国内で1ヶ月分のデポジットを預けるだけで入れるゲストハウスを転々としていました。手続きは一ヶ月分のデポジットを預けるだけでよくて、家具が全部ついてるのでカバンひとつで入れるゲストハウスはしょっちゅう引越しをしたい僕にはすごく合っていた。鞄にに着替えとノートパソコンだけ詰めてそれで転々としていた。

寮とたまり場

一年くらいはそんな感じでゲストハウスに住んでいたんだけど、そのへんでゲストハウスにも少し飽きて「ただのゲストハウスじゃなくて、ある程度趣味や興味が重なる人が集まっていて一緒に遊べるようなシェアハウスに住みたい」と思った。

共同生活をしたいというのは、僕がもともと大学時代に寮に住んでて共同生活をしてたのが原体験である。大学時代に僕の住んでた寮は、ものすごくぼろくて大きめの一部屋に二段ベッドが二つ置いてあって4人が相部屋で月の家賃が4100円というところだったんだけど、その共同生活は楽しかった。遊び相手にはいつも事欠かなくて、いつも誰かがゲームしたり麻雀したり酒飲んだりしてるような感じ。学校に行かずに寮で遊んでばかりいるので半分以上の寮生が留年するというような感じでしたが。

それで「こういうシェアハウスを作りたいなー」ってブログに書いたら、ネットの知人に「いま空いてる家が一つあるから借りませんか」って言われて、それを借りて南町田にギークハウスを作ることにしたのが2008年の夏だった。

ギークハウスの展開

ギークハウスを作ったら結構住みたい人も集まって、人も遊びに来てくれて盛り上がってこの1年半楽しかった。パソコンとかネット好きな人が集まってるのでそういう話題で盛り上がれるし、マシンや技術書を共有したりするのは便利だし、オフ会やハッカソンの会場としても活用していた。

一緒に遊んだり交流したりする以外にも、ギークとシェアハウスの相性っていいと思う。先に書いた日本的な不動産システムって、結局社会の多くの人が終身雇用されてるようなのが前提だし、そしてIT業界ってあまりそういう感じじゃない。普通に転職とかがよく行われるし、会社から離れてフリーで仕事する人も多いし、ベンチャーを起業したりする人もいる。そういう「普通に会社に勤めている」というのに嵌っていないと家を借りにくかったりするので、面白いことをしようとしているギークにとって入居しやすいシェアハウス・ゲストハウスはちょうどいいんじゃないか。

その盛り上がりの中でうちの他にもギークハウスを作ってみようという動きがあって、実際にいくつかできたりもしたんだけど挫折する例も多くて、シェアハウスとして家を借りるのは結構難しいことがわかった。ギークハウスを自分でもやってみたいと思っても、いざ不動産屋に行ってみると「複数人のルームシェアで、途中で入居者の入れ替わりもありで、大家は入居者一人ひとりに保証人をつけたり審査したりはしない(代表者のみの審査)」という感じで貸してくれる大家さんって、かなり少ない。結局僕みたいに理解のある知人から貸してもらうとか、もしくは誰かの会社の法人名義で借りるとか、そういうのしないことをしないとギークハウス的なことをするのはかなり難しいようだ。

結局僕自身の居場所づくりでもあるのですが

僕はできるだけ働きたくないし会社に勤めたりしたくないと思っているし、結婚して家族を作るとか実家に帰るとかそういうことも全くしたいと思わない。一人で生きて一人で死にたいと思っているし、ただ周りに一緒に遊べる友達や仲間がいればいいと思う。だから会社も家族もなくてもネットで繋がった知人友人といつまでも遊んでいられればそれでいい。

ただネット上ではそれでいいんだけど、会社も家族もないとネット上でない現実空間に、オフィスや家庭といった具体的な居場所がない。ネットに接続すればそこにはいつも誰かがいて楽しく遊べるけど、結局現実世界では一人暮らしでときどきネットの人に会うだけ、というのだと少し寂しい。それで、家族ほどじゃないけどゆるやかに同居人や遊びに来る人と繋がれる場所であり、ネットの人とオフ会や勉強会などのイベントを開ける遊び場として作ったのがギークハウスだ。

僕は新しい情報や面白いニュースも知り合いや友達も収入もご飯も家もすべてをネット経由で手に入れているし、ネットがあればそれだけで生きていけると思っている。そういうネットの面白さや良いところを加速するハブ、現実世界におけるネットの出張所としてギークハウスがあればいいと思う。

僕は自分が気軽に立ち寄れて遊べる場所がもういくつかあったらいいなと思うので、もうちょっとギークハウスを増やしたいと思う。2010年初頭からいくつか新しいギークハウスを作る計画が進んでいたりするのでもし興味のある方はご連絡ください。

関連動画