phaの日記

パーティーは終わった

坂本慎太郎「幻とのつきあい方」がよかった



幻とのつきあい方(初回限定盤)

幻とのつきあい方(初回限定盤)

幻とのつきあい方

幻とのつきあい方

実は最初そんなに期待していなかったんだけど、聴いてみたらすごくよかった。
ゆらゆら帝国のボーカルギターだった坂本慎太郎が解散後に初めて発表したソロアルバム。ゆら帝は凄く好きで何回もライブを見に行ったりしてたんだけど、坂本慎太郎のソロ活動はそんなにチェックしてなかった。どうせ坂本慎太郎のソロって、なんかすごいドロドロのサイケとか、ノイズっぽいのとか、暗いフォークっぽいのとか、ゆら帝のアルバムに入ってた「イエスタデイ・ワンス・モア」をカバーしたやつ

みたいな、とにかくなんか濃くて暗い感じでしょ?って勝手に想像してたんだけど、全然違った。聴いてみるとそれは、すごく軽やかでふわふわして明るくて空虚な、幻や幽霊のような音楽だった。


それは、ゆら帝の初期・中期のどろどろした濃い曲

をずっと聴いてきた後に、解散直前の「空洞です」

などを聴いたときに感じた手応えのなさと不思議な心地よさを、さらにもう一段階進めたような感触だ。



ゆらゆら帝国はその3人のメンバーの濃いキャラクター、特異な容姿から「3匹の妖怪」なんて言われたりしていたけれど、坂本慎太郎の今作では妖怪的な濃さは表に出て来ず、まるで幽霊のような存在感の希薄さを感じる。妖怪から幽霊へ。

初回限定版には全曲のインストゥルメンタル版がボーナスディスクとして付いていて、このインスト版も心地よいのだけど、そもそもボーカル有りのバージョンがインストっぽく感じるくらいの希薄さがある。それだけど物足りないわかけではなく心地よくて何度も聴いてしまう。とてもよいアルバムだと思う。


他の人の書いた感想では幻とのつきあい方を聴いた - MuteItって何ですか?がよいレビューだと思った。