phaの日記

パーティーは終わった

知識ゼロから将棋を楽しむための将棋ガイド(下)



前記事では将棋に関する漫画やノンフィクションなどの読み物を紹介しましたが、この記事ではさらに将棋を楽しむためのいろんな周辺情報について紹介していきたいと思います。

入門書

将棋漫画を読むとき、ルールを知らなくても面白いんだけど、基本的なルールを知ってるとさらに楽しめます。自分で指さずに観戦するだけだとしても、ある程度の知識があったほうが面白いし。ということで、ルールを全く知らないけど将棋に興味があるという人は、とりあえず何か入門書を読んでみるのが良いでしょう。

のシリーズあたりが分かりやすくて良いと思います。

観戦

スポーツを観戦するのと同じように、将棋は自分で指さなくても他人の戦いを見てるだけでも楽しいです。僕は今までスポーツ観戦の趣味は持ったことがなかったんだけど将棋の対局を見るのは面白いということに最近気づいて、これは良い趣味だ(=低コストでハラハラドキドキできる)、と思った。自分で指すのはエネルギーを結構消耗するので疲れるけど、見るだけだったら気楽に楽しめるし。

一番手近なコンテンツは、毎週日曜の朝にNHKのEテレでやってる番組か、ニコニコ生放送での中継でしょう(→公式生放送 将棋特集 - ニコニコチャンネル)。ニコ生の番組は見てる人へのリアルタイムアンケート(「どちらが優勢だと思いますか?」「次の手は何だと思いますか?」など)もあってインタラクティブで楽しいです。

7月21日は将棋 第21回富士通杯達人戦 準決勝 羽生善治三冠 vs 加藤一二三九段 - 2013/07/21 10:00開始 - ニコニコ生放送があります。

あと、日本将棋連盟モバイルでは毎日いくつかの棋戦を詳細な解説付きで流してくれるので、ここを見てると見るものがなくて困ることはない。ガラケー(月315円)、スマートフォン(月350円)で利用可能。電車の中とかの暇潰しによいです。

オンライン対戦

将棋を覚えても周りに指す相手がいない、という人は多いでしょう。でも今ならインターネットがあればいつでもどこでも対局相手が見つかります。よかったですね。

将棋ウォーズ

PC(ブラウザ)、スマートフォンなどから遊べる。エフェクトが派手で楽しいし、時間切れ負けというルールがとっつきやすいです。僕はこれをメインでやってます。2級からなかなか上がれない……。

将棋倶楽部24

PC、スマートフォンなどから遊べる。将棋ウォーズよりも本格派な感じでレベルが高い人が多い印象。1998年オープンという伝統のあるサービス。

天下一将棋会

ゲームセンターに置いてあるやつ。エフェクトなどが派手で盛り上がる感じです。

将棋ソフト

自分で指す場合、コンピュータソフト相手の対戦は、「待った」をしながら試行錯誤したりできるので練習するのに良いです。

将棋ソフトで僕が一番感心した機能は「棋譜分析」という機能。棋譜を入力すると、一手一手を「この手は疑問手」「この手は悪手」とか出してくれたり、代わりになる良い手の候補を教えてくれたり、戦況を数値化して常に表示してくれたりするのだ。負けた将棋の棋譜をコンピュータに入れると「あの手で形勢が変化した」「あの局面でこういう選択肢も有力だった」みたいなのを示してくれるので勉強になる。僕は将棋ウォーズで指した棋譜将棋ウォーズ棋譜保存からダウンロードしてソフトに読ませてみたりしています。

下は棋譜解析の例。疑問手とか悪手とか言われまくると逆に気持ちいいですね。


上のソフトが廉価版で3000円台と安かったので買ってみた(通常のは1万円くらいする)。上のリンクはパッケージ版で、ダウンロード版はここから買えます→マイナビ GAME WEB 将棋 for Windows。Windows用のソフトだけどWine(Windows用のソフトを別のOSで動かすためのフリーソフト)を使うことでMac OS 10.8.4で動くことを確認。


スマートフォンのアプリでも将棋ソフトはいろいろ出てるし、ブラウザで遊ぶならハム将棋とかはハンデも付けられるので初心者向きとして気軽に遊べて良いと思います。

コンピュータ将棋について

2013年現在、最もホットな将棋関係トピックスはコンピュータ将棋でしょう。コンピュータが充分に強くなってきてそろそろ数年以内には人間が勝てなくなるかもしれない、という地点にさしかかっているのだ。それはたまたま将棋が今直面しているだけで、他の全てのジャンルで人類がいずれ直面する問題なのかもしれない……。

コンピュータと人間の対決は「電王戦」という舞台で行われている。第一回電王戦は2012年1月に行われ、既に現役のプロを引退していた米長邦雄永世棋聖(現役時代はトップクラスにいた人で日本将棋連盟会長でもあった)がボンクラーズというソフトと指して、結果はボンクラーズの勝ち。第二回電王戦は2013年3月から4月にかけて行われ、プロ5人対コンピュータ5人のチーム戦だった。結果は人間側の1勝3敗1引き分け。第三回の詳細は未定(←今ここ)。

電王戦やコンピュータ将棋関連では読み応えのある観戦記やブログ記事などがたくさん出てるんですが、ちきりんさんが最近コンピュータ将棋についてたくさんのエントリをあげていて面白かったです。この記事(インプット & アウトプット - Chikirinの日記)あたりから辿って一通り読むと、コンピュータ将棋の最近の状況と見どころや面白さについて大体のところが把握できると思います。

あとは、たくさんある電王戦ルポを代表して以下の記事を紹介しておきます。

われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る

われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る

第2回電王戦のすべて

第2回電王戦のすべて

その他

他、今までの紹介で収まらなかったネタ的なものとかを。

長そうだから読んでないんだけどやる夫が神武以来の天才になるようです 〜加藤一二三 物語〜 (旧)は面白いらしい。今は何でもやる夫で学べて便利ですね。

上のスレでモデルにされてる加藤一二三九段(かとうひふみ・くだん)は、とても良いキャラをしていて2chまとめとかでも「ひふみん」の愛称でよくネタにされています。加藤一二三伝説に逸話がまとまっているのでおすすめ。

対局中に蜂蜜をチュウチュウ吸い続ける加藤一二三九段。


加藤一二三九段と米長邦雄永世棋聖の掛け合いがすごい面白い。


羽生の大逆転として有名な対局。羽生さんの落ち着きのなさ、相手の中川さんの渋さ、解説のひふみんの呂律の回らなさなどかなり見どころの多い将棋です。


あとネタ的に盛り上がったものといえば佐藤紳哉六段でしょうか。NHKのインタビューというお固い場所で以下のようなラフな受け答えをして話題になりました。「残念なイケメン」感がよいですね。


それを真似する橋本崇載八段。


比較動画。


ハチワンダイバーにも出てきた。


あと佐藤六段は実はヅラで、いきなりカツラを外すというネタをよくやっているんですが、それをイベントでいじる橋本八段。


棋士って変な人が多くてプロ将棋士SUGEEEEEEEEEEってなる話教えれ - まめ速みたいな2chまとめを読むだけでも楽しいですね。


将棋の天才たち

将棋の天才たち

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