夏はだめ。大体僕はずっと家にいると思考が内側へとずっと凹んでいってしまうからときどき散歩しないと精神を健全に保てないので、快適に散歩ができない夏、冬、雨のときは精神や体調のバランスをうまく取ることができなくなってしまう。暑いのも苦手だけどエアコンも苦手なので睡眠もおかしくなって、何もうまくできないし情緒も不安定になってしまうな。毎年のことなんだけど。
やらなきゃいけないことがあるときにやるゲームほど面白いことはないよな、ということで最近はSlay the Spireばかりやっています。デッキ型カードゲームをベースにしたゲームなんだけどカードの組み合わせによる戦略の幅広さと絶妙なゲームバランスがすごい。プレイ時間が150時間を超えたけれどまだ飽きる気配がない。来年は本当にオリンピックをやるんだろうか。どうやって生きていったらいいか全然わからないですね。
新刊『がんばらない練習』が発売になりました
一年半ぶりの新刊、『がんばらない練習』が発売になりました。「会話がわからない」「すぐに帰りたくなる」「決めるのが怖い」など、社会の中でのいろいろな「できなさ」を受け入れることについて書いた本です。自分にできることよりできないことのほうが僕は愛着がある。
でも、そういった「できなさ」こそが人生の醍醐味じゃないかと思うのだ。人生の全てが自分の思うように進んだとしたら、何の面白みもないだろう。そんなものは人生ではなくただの妄想だ。生きるということは自分の妄想と現実との差を確認し続ける行為だ。人生は思うようにならないからこそ、その中でいろいろとやることがあるのだ。
そういう意味で、僕は自分の「できなさ」に愛着がある。他の人がみんなできることが自分にはできなかった、そんな傷口の集合体こそが自分の人生だ。嫌だったこともつらかったこともあったけど、そんな体験が自分を作ってきた。もし自分の欠点が全部なくなってしまったら、そんなものはもう自分ではないだろう。できることよりできないことのほうが、他の誰とも違う自分らしさを作っているように感じる。
だから、自分のできない部分を消し去ろうとしてがんばりすぎる必要はない。できない部分を愛して受け入れてやることが大切だ。それこそが自分らしさの本質なのだから。
(『がんばらない練習』あとがきより)
- 作者: pha
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2019/07/24
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
28日に東京・南阿佐ケ谷で発売イベントもやります。
7月28日(日)の15時〜20時、新刊『がんばらない練習』の発売を記念して、pha書店というイベントを南阿佐ケ谷の枡野書店でやります。『がんばらない練習』と文フリで出した『夜のこと』を売ります。書き下ろしのエッセイも配布します。一箱古本市も開催します。気軽に遊びに来てください pic.twitter.com/sZWjoeDQU4
— pha『がんばらない練習』7/24 (@pha) July 19, 2019
選挙が面白くなってきた
なんか最近ようやく選挙が面白くなってきた。
若い頃は「誰に投票したらいいかよくわかんないし」と思って行かなかったんだけど、年をとるにつれてわりとみんな、「なんとなく」とか、「あいつらキモいからあいつら以外に」とか、そんな感じでよくわからんまま投票してるということがわかってきた。誰が何を主張してるかとか全員分調べるの大変すぎるし、そんなもんでいいんだと思う。
あと、選挙って、祭りのときにみんなでだんじり引けば楽しい、みたいな感じで、多くの人と団結して一緒に何かすると高揚感があるとか、集団を組んで他の集団に勝つことを目指すと楽しいとか、そういう原始的な楽しみかたをするものなんだな、ということもわかってきた。見た目が整った人とか体が強くて元気そうな人とかが選ばれやすいのも原始的ぽい。
要は、選挙ってわりと野蛮で雑なゲームなんだな、というのがわかると楽しめるようになってきた。
増税とか憲法とか選挙で言われるようなことって若いうちはピンとこなくて、年をとるにつれてそれが自分の生活につながっているものだというのがわかりやすくなってきたというのもあると思う。
今回の選挙が楽しめたのはいくつか要因がある。
まず、候補者にこいついけすかないな、通ってほしくないな、というやつがいて、その人が当落線上にいて、通さないためにはどうしたらいいかを考えたら、自分の投票にも価値がある感じがしたこと。
そのへんの情報を得るにはこのアカウントが役に立った。情報を分析して、この候補は盤石で、この候補はきわどくて争っている、というのを選挙期間中ずっと教えてくれるアカウントだ。
あと、選挙で当選する人は変わらなくても、10万票差で勝つのと5万票差で勝つのと1万票差で勝つのは意味が違うんだな、と知ったこともある。圧勝だと他の勢力に構わず好きなように振る舞えるけど、辛勝だと他の勢力のことも気にし続けないといけない。
そんな風に思うと自分の一票に意味がある感じがするし、自分の一票に意味があると投票が楽しくなる。
面白かったのでまた次を早くやってくれないかな。
pha書店をやります
7月28日(日)の15時〜20時、新刊『がんばらない練習』の発売を記念して、「pha書店」というイベントを南阿佐ケ谷の枡野書店でやります。『がんばらない練習』と文学フリマで出した『夜のこと』を売ります。来てくれた人には書き下ろしのエッセイを配布します。本を持ってきてくれたらサインします。一箱古本市も開催します。気軽に遊びに来てください。
- 作者: pha
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2019/07/24
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
文学フリマに出た
ちょっと前の話だけど、文学フリマに出店したらすごく楽しかった。
出版社から本を出すときって編集者に渡したらそれで終わりって感じがあって、そこからどんなパッケージで本を作って売るかは出版社の仕事で、何冊作って実際に何冊売れるかは自分にはあまり関係ないか、とか思っちゃったりするのだけど、自分で同人誌を作って売ると執筆だけじゃなく企画や編集や販売もやることになるので、それが新鮮で面白かったのだと思う。
買いに来てくれた人に「ありがとうございます、500円になります」「500円のお返しになります」とか言うのも楽しかった。そんなの言ったの学生の頃にファミマでバイトしてたとき以来だ。わりとそういうの好きなのかもしれない。まあたまにやるから楽しいのかもしれないけれど。
11月にもまた東京で文フリがあるので、出店しようかと思っている。
文フリで売った『夜のこと』という冊子は以下で通販もやっています。
シェアハウスをやめた
4月末に、シェアハウスを解散して一人暮らしを始めた。思えば2008年に南町田に最初のギークハウスを作ってからずっとシェアハウス暮らしだったので、11年ぶりの一人暮らしということになる。
上の記事でも書いたけど、ちょっと飽きてきたというのが理由だ。
4月末で住んでいるシェアハウスの物件の契約が終わることになって、また別の場所で新しくシェアハウスを立ち上げてやっていこうかということも考えたのだけど、なんかめんどいな、と思っている自分に気がついた。今さらまた一から物件探してメンバー集めてシェアハウスをやるのすごくだるいな。そんなのはもう何回もやったことで、11年もやると大体どういうことをすればどんな感じになるかも想像がつく。それよりも、今さらあえて一人暮らしをする、ということのほうが自分にとって新しくてワクワクする感じがした。シェアハウスも11年やったからもういいだろう。シェアハウスやってる若い人も今はたくさん出てきてるし、僕もいい年になったし、そういうのは若者に任せていこう。
だけど、あまりにシェアハウスの生活に慣れすぎていたので、一人暮らしをするのはすごく不安があった。孤独で死んでしまったりしないだろうか。
実際に一人暮らしを始めてみると、思った以上に快適だった。家が静かなのがいい。心が休まる。自分以外の誰かが散らかしたものを片付けなくていいのはすごく楽だ。
シェアハウスに住んでいるときは、常に人の気配があったし、突然誰かが訪ねてくるかもしれない、ということに備えていたりもした。それが楽しい部分でもあったのだけど、やっぱり常にちょっと気が休まらないところがあったみたいだ。
一人暮らしだと、家にいるときは完全に一人だ。そして、人に会うときは、人に会う気持ちの準備をしてから外に出かけていく。いわば、オンとオフがはっきりしている。オンのときはちょっとがんばっているし、オフのときは完全に脱力している。
シェアハウスは、そういう意味でオンとオフが入り交じった空間だった。突然誰かが訪ねてきたり、突然夕食会やゲーム大会が開かれる可能性のある空間。それは面白いことではあったけれど、ちょっとそういうのに疲れていた部分があったみたいだ。
今は家にいるときは完全に一人で(あと猫が二匹)静かに暮らしている。たまに人に会いたくなったら友人に声をかけて会ったりもする。とりあえずこんな感じでしばらくやってみようと思う。
一人暮らしを始めて、自分から能動的に人に会うということをすごく久しぶりにやった気がする。そこで思ったのは、人に会ったり人を集めたりするのは、何か口実がいるな、ということだ。飯でも花見でも誕生日でもなんでもいいんだけど。シェアハウスだと、そういうのがなくてもいつもなんとなく人が集まるのがよかったな。これからは人と会う口実をたくさん作るのを上手になっていかないといけないのか。
あと、一人暮らしを始めてから、仕事をする量が増えた。人に会ったり、人と何かやったりしたい、という欲求が増えているからだと思う。それがいいことなのか悪いことなのかはわからない。生産的になってしまうな。
近況
冬は大体いつも調子が悪いんだけど今年の冬は10年に一度くらいのレベルでだめな感じで全く何も楽しいことがなく毎日スマホでどうでもいいネットの揉め事を見てスクロールし続けるくらいしかできなかったんだけど、春になって元気になったかというとそうでもなくて、例年通りなら桜の咲く頃になれば気分が上を向いてきて全てが楽しく世界は美しいって浮かれた感じになったりするんだけど今年は全然そんな感じじゃなく、桜が咲いても「この桜が綺麗なのは頭ではわかるけど全然心が動かされないな」と冷たい表情で見ているだけだった。桜は毎年同じように咲いているわけだから、そんな風に感じるのは自分の状態の問題なんだろう。
ようやくこの4月下旬になってきて少しはマシな気分になってきたのだけど、それでも例年の好調にはほど遠く、一番調子が良かったときの60%くらいにしかならない。全身がだるい。いや、ずっと前からだるいんだけど、以前よりさらにだるくて固くて重くなっている。なんだろうなあ。やっぱり歳のせいかもしれない。これから先はずっと、良くても良かったときの60%くらいで生きていくのかな。まあ60%くらいでもやれることはあるといえばある。その状態に慣れれば平気になっていくのかもしれない。生きるというのはこんな風に、ひたすら下り坂を転がっていくようなものなのだろう。
面白かった本2018
今年読んで面白かった本をまとめてみます。今年はあまり文章を書かなかったから、読んだ本ちょっと少なめかも。大体なにか書くときに参考にしたり真似したりするために読むというのが多くて、本を読みたいから文章を書いてるようなところがある。
- 花田菜々子『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』
- 先崎学『うつ病九段』
- 佐藤文香『そんなことよりキスだった』
- こだま『ここは、おしまいの地』
- ECD『失点・イン・ザ・パーク』
- 漢 a.k.a GAMI『ヒップホップ・ドリーム』
- 瓜田純士『遺書』
- 野崎まど作品
- 平山夢明作品
- ユヴァル・ノヴァ・ハラリ『サピエンス全史』
- 過去記事