phaの日記

パーティーは終わった

アジアの安食堂の話



 セブに来てから普段の食事は近所の安い食堂で済ませている。大体、カウンターに十数種類のおかずが用意されていて、食堂のお姉さんに「これとこれください」って指さして、あとご飯と飲み物を頼めば注文完了だ。こういうタイプの食堂は昔に住んでいたタイでも同じシステムだったので慣れている。


 ごはんとおかず2品で41ペソ(約80円)。鶏肉を煮たものと、空芯菜を煮たもの。


 ごはんとおかず3品とミネラルウォーターで92ペソ(約180円)。魚を塩辛く煮たのと、肉じゃがみたいなのと、甘辛いソースのハンバーグ。


 屋台で売ってるパイナップル、10ペソ(約20円)。甘くてジューシーでとても美味しい。


 多分こういう食事がセブの一般の人の食事なんだと思う。味はまあまあ美味しい。食堂自体は不衛生ってわけではないけれど、建物はボロくてそんなに綺麗じゃないし、椅子や机も安っぽいプラスチック製でガタガタする。でもそういうアジアの安食堂の雰囲気が僕は好きなので落ち着く。

 対比して思うのは日本のことだ。日本でお金のあんまりない人が食べる安食堂といえば、松屋とか吉野家とかの牛丼屋チェーンが一般的になっていて、280円ぐらいの安い値段でそこそこの味のものが腹いっぱい食べられるのだけど、あの店舗の小綺麗さはなんなんだろう。貧乏人向けなのにピカピカでシステマチックにできている。よく考えてみると、日本では小汚いけれどその代わりに安く食べられる店というのがあんまりない(全くなくはないけどチェーン店の牛丼のほうが安い)。

 僕は日本の牛丼屋も好きだし、どっちがいいっていう話じゃないんだけど、あんなに安くてジャンクな食事がとても清潔な店舗で提供されていて、しかも全国チェーンで展開されて、セントラルキッチンで調理された材料が高度な流通網に乗って国中に配給されて全国の貧乏人のお腹を満たしている、というのは凄くサイバーパンクだと思う。いつも普通に使ってるけどよく考えると凄い。