phaの日記

パーティーは終わった




 24時間営業の喫茶店に男五人が集まって朝の五時まで、ある友人についての話をしていた。御丁寧なことにテープレコーダーで会話を録音までした。
 結局あいつは「臆病」で「強がってばかり」で「周りに凄い人だと思われたく」て、「女好き」で「喧嘩好き」でどうしようもない奴だという話になった。
 それなのに、なんで愛されてたんだろうね、今日あんなに人が集まってたみたいに、と誰かが言った。
「あいつのどういうところが一番好きだった?」などと訊かれて「華がある」と言いかけて、少し違うなって思って、「華があるっぽく見せようとしている強がりの危うさの雰囲気」などという言葉が自分の口から出てきた。
 こんなに自分について語ってもらえるならちょっと死んでみたくなったなあ、と誰かが言った。
 確かに、この会話を録音したテープをあいつに聞かせたいと思った。というよりも、今言っているようなことを、普段から直接言うべきだったのだ。そんな風な関わり方をしてこなかっただけだ。周りの人に、その人が周りにいるうちに、精一杯向かいあうこと。みんないついなくなるかわからないのだから。