「"事故"る奴は…"不運"(ハードラック)と"踊"(ダンス)っちまったんだよ…」というのは暴走族マンガ「特攻の拓」の名台詞だけど、バイクを運転をするようになって本当にそうだなと思う。どんなに気をつけて運転をしていても時速60kmで走ってる目の前に突然子供が飛び出してきたら避けられない。それは運の問題でしかない。対向車線の車がキチガイでいきなりこっちの車線に突っ込んできたら絶対死ぬ。運転をするようになってもう一つ実感したのは意外とキチガイは世の中に少ないということだ。ちょっとハンドルを動かして対向車線に突っ込むだけで簡単に自分も相手も死んでしまうのに、意外とそういう事故は少ない。バイクを飛ばしているといつも、ここで僕が突然ハンドルから手を離して白目を剥いて手を叩きながら「あばばばば、ぷぴー」とか叫んだら自分は絶対死ぬなあ、ということを考えてしまうのだけど、他の人はあまりそういうことを考えないんだろうか。道路ではちょっと2秒くらい正気を失うだけで簡単に死ねるのに、人間の正気はわりと0.1秒も途切れることがない。人間の理性や知性というのは偉大なものだと思う。
・日刊スレッドガイド : バイク事故で下半身不随になってしまった。もう生きたくない。
でも大体こういうのは「わりと大丈夫じゃん」って油断した途端に事故るものなので、事故とか死とかに対する緊張感を忘れないように、出発する前にバイクで事故った話の体験談とかを読み込んだ。怖い。下半身不随になりたくない。よし。そんな風にびびってれば大丈夫だ。多分。
昼過ぎに目を覚まし、小伝馬町に向かう。
東京をしばらく離れて山にこもる前に最後に何をしておくべきか?と考えて、とりあえずがっつり系のラーメンを食べておくことではないかと思った。というかそれくらいしか思いつかなかった。噛みごたえのある太麺と味の濃いスープとシャキシャキしたもやしの組み合わせがたまらない。食べると満腹になりすぎて動くのがだるくなった。
(つづく)
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