一年半ぶりの新刊、『がんばらない練習』が発売になりました。「会話がわからない」「すぐに帰りたくなる」「決めるのが怖い」など、社会の中でのいろいろな「できなさ」を受け入れることについて書いた本です。自分にできることよりできないことのほうが僕は愛着がある。
でも、そういった「できなさ」こそが人生の醍醐味じゃないかと思うのだ。人生の全てが自分の思うように進んだとしたら、何の面白みもないだろう。そんなものは人生ではなくただの妄想だ。生きるということは自分の妄想と現実との差を確認し続ける行為だ。人生は思うようにならないからこそ、その中でいろいろとやることがあるのだ。
そういう意味で、僕は自分の「できなさ」に愛着がある。他の人がみんなできることが自分にはできなかった、そんな傷口の集合体こそが自分の人生だ。嫌だったこともつらかったこともあったけど、そんな体験が自分を作ってきた。もし自分の欠点が全部なくなってしまったら、そんなものはもう自分ではないだろう。できることよりできないことのほうが、他の誰とも違う自分らしさを作っているように感じる。
だから、自分のできない部分を消し去ろうとしてがんばりすぎる必要はない。できない部分を愛して受け入れてやることが大切だ。それこそが自分らしさの本質なのだから。
(『がんばらない練習』あとがきより)
- 作者: pha
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2019/07/24
- メディア: 単行本
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28日に東京・南阿佐ケ谷で発売イベントもやります。
7月28日(日)の15時〜20時、新刊『がんばらない練習』の発売を記念して、pha書店というイベントを南阿佐ケ谷の枡野書店でやります。『がんばらない練習』と文フリで出した『夜のこと』を売ります。書き下ろしのエッセイも配布します。一箱古本市も開催します。気軽に遊びに来てください pic.twitter.com/sZWjoeDQU4
— pha『がんばらない練習』7/24 (@pha) July 19, 2019