『SPA!』で、中年や老いをテーマにした連載を始めるとのことで、中年としてお話ししてきました。
鳥トマトさんの『東京最低最悪最高!』は、この生きづらい社会の中の人間たちのもがきと諦めときらめきを描いててすごく好きなんですよね。鳥トマト先生は人間がウワーッとなって打ち上げる花火を観察するプロだな、と思いました。
『東京最低最悪最高!』の2巻の蜷川さんがいいキャラで好き、と言ったら、意外、と言われたのだけど、なんで好きなんだろ。ああいう巨大な組織の中で生存している妖怪みたいな人が、自分の生き方と正反対すぎてよくわからないから面白かったのかもしれない。
僕はもう会社員の知り合いとかが周りにいなくなってしまったので、マンガに出てくるギラギラしたオッサンみたいなのは本当にフィクションにしか思えないんですが、社会には結構いるんですかね……。
『東京最低最悪最高!』はおっさんおばさんの話が多いのも好きなんですよね。若者の話はもういい。夢が破れたあと、やる気が無くなったあとの人生の話をもっと読みたい。中年や老いの話を書き続けて、令和の『黄昏流星群』を目指してほしいです。