phaの日記

パーティーは終わった



 数日前に「チリ海岸のなぞの物体はマッコウクジラの死がいだった」というニュースを紹介して、「面白いなあ」という感想をひとこと付け加えていたのですが、同じニュースを紹介している他のサイトを見ていると「なーんだ」「つまんない」という感想が多く、自分の感想と正反対だったので面白かった。俺が面白いと思ったのは、まるで本格ミステリみたいだ、と思ったからです。
 まずこのニュースに至る経緯を説明すると、まずそれより前に、チリ海岸になんかよくわかんない半透明のぶよぶよした巨大な物体が打ち上げられて、なんだこのわけのわからないものは、新種の生物か、ということでニュースになっていたのです。それが今回、クジラの死骸だったと解明されたわけです。
 本格ミステリの醍醐味の一つは、一見不可解に思える「非現実的な謎」が探偵による「合理的な説明」によって現実的に解決されてしまうカタルシスだと思っています。このニュースの帰着は、この本各ミステリの構造と同じだと感じたのです。

 科学者らによると、マッコウクジラが死ぬと、体が腐敗し、皮膚と脂肪層でできた半液体状の物体の中で骨格が浮遊した状態となる。  その後、皮膚が破れ、骨格が海中に沈む一方、皮膚と脂肪は浮上する。科学者によると、この時浮上した中身が、タコのような形をしたまま海岸に打ち上げられるという。

 このあたりなんてよくできた物理トリックの種明かしをされているようじゃないですか。
 不可解な謎に対して現実的な解決を期待するのか非現実的な飛翔を望むのかというのは、ミステリとファンタジーのスタンスの違いだったりするんでしょうかね。