手とか足とかがぷらぷらしてるなーと思います。歩いてるのとか見ると。西洋人的な筋肉に重点を置いた身体意識ではなく、骨の意識が濃いと思う。骨がぷらぷらしてる感じ。それに比べると日本人の意識は骨も大事なんだけど、もうちょっともちもちしてる感じ。筋肉筋肉というわけでもなく、丹田とかからねばりづよいのがもちもち伸びてるような感じ。
タイ人は歩くのが嫌いです。歩いて10分というような距離でも普通にタクシーを使います(まあ、そういう文化のせいかタクシーが安いんだけど)。それに比べて日本人は伝統的に歩くのが好きですよね。日本には昔っから「お伊勢参り」とか「熊野詣で」とかひたすら歩くようなイベントがありましたが、タイでは考えられないことです。まあ、暑いからなんだけど。歩くというのは骨がぷらぷらの身体意識には向いてなくて、粘り強くもちもちした身体に向いているものなんだろうと思います。気候によって行動様式が決まり、それによって身体意識が形成されるのでしょう。
齋藤孝のいい仕事として『身体感覚を取り戻す』(ISBN:4140018933)『呼吸入門』(ISBN:4048838652)あたりの著作で、「身体意識は文化である」というのを丁寧に説いたというのがあります。
- 身体意識(自分のからだというものをどのようなイメージで捉えて、どのように運用しているか)と精神性はつながっている*1
- そして身体意識は民族や地域によって違うものだし、時代によって移り変わってもいくものだ
- 身体意識って無形のものだし、特に特殊技能として目に見えるものじゃないからその存在にさえみんな無自覚だったりするけど、それは時代や文化によって変化して行ったり、時には消滅してしまったりするものだよ
- (日本人は優れた身体意識を持っていた*2のにそれが一般的に全然伝承されていないからやばいよ)
そういう観点からすると、タイ人の身体意識=精神性というのはどういうものなんでしょうか。これからの生活でいろいろわかってくるかと思うと楽しみです。