phaの日記

パーティーは終わった

季節性うつ病(季節性情動障害)



季節性うつ病 (講談社現代新書)

季節性うつ病 (講談社現代新書)

 そういえば昔買った上記の本を読んでたら、自分と同じような冬になると駄目な人がいっぱいいて感動した。チョコレートとかやたら食べてしまうとか、冬に南の島に行ったら嘘みたいにそのときだけ調子よくなった話とか、まったく同じ。自分はまだましなほうなんだな、と思うような症例もいくつかあった。

 ジェニーは、自分のことを「冬と夏でまったく違った人間になるみたい」と感じていた。春から秋にかけては、精力的で、元気で、生産的な人間である。(中略)ところが、冬の間は、活力もなく、注意力も低下し、毎日の仕事をこなすのが大変である。まるで「冬眠中の熊みたいに」、すぐに休みを取って、一人になりたくなる。春になり、エネルギーと活力と熱情が戻ってくるまで、こういう状態が続く。ジェニー自信が自分を二人の違った人間ではないかとか、友達が「ほんとうのジェニーはいったいどうなってるのか」と疑問を持つのも、容易に理解できるほどである。

 冬の間、楽しいと思えるものは少しもなかった。

 五月までには、ずっと気分も良くなって六、七月になる頃には、何かやりたくてたまらない。熱狂的で、陽気になった俺は、「またやっつけてやった」って思い、冬の苦しみと比べて、なんてすばらしいんだって感じるのさ。

 何年かの間に、違った緯度の地域、ジョージア、ニューヨーク、ケベックに住んだことがあったが、北に住めば住むほど、抑うつは早く始まり、抑うつの度合いも強く、春になって直るのも手間取った。

 南に行きたいなあ。
 光を浴びる光治療が有効だそうです。このページに光治療器の写真がある。欲しい。いや、とりあえず部屋の照明を増やそうか。
 悩んでる人の掲示板も見つけた。

 英語ではSAD(Seasonal Affective Disorder)というそうだ。
 しかし治療によって冬のうつが治ると、春夏秋の軽躁状態も消えるそうだ。それはちょっとつまらないかも、と思わないでもない。

 他にも興味深かった箇所を引用しておく。

 光治療に関する本格的な研究が始まる前から、自分の気分が光に関係することに気づいている患者がいた。たとえば、ある女性は照明器具の前にいると気分がよくなるので、自然と電灯のそばに座ることにしていた。またある患者は、夜になると照明の行き届いたスーパーマーケットに行ってぶらぶらしていた。採光の良いコピー室にばかりいる人もいた。SADの人は冬になると、家中の明かりをつけてまわることが多い。ある中年女性は明かりをつける習慣のせいで、夫から「明かり」というあだ名をつけられていた。SADの人にとって光が必要だということが理解されず、家中の明かりをつけると電気代がかさむというので、夫婦喧嘩の原因になることもある。

 ペットは光に好ましい反応をすると述べる人が多い。とくにが光治療器に関心を示し、その前で過ごすことが多いという話を聞くことが多い。とインコに関する次のような話を聞いたことがある。ふだんなら、そのはインコに出会うと追い掛け回し、インコは大急ぎで自分の籠に戻り、籠の扉を自分で閉めていた。ところが、光治療器をつけると、インコはがいても逃げもせず、その前にやってくる。はというと、光の前で恍惚となり、インコを追い回すことにはまったく関心を示さない(われわれはライオンと羊を光の前においてみる実験をして見なければならないだろう)。

 昨日早速電気スタンドを買ってきて職場の机の側に置いたら、ちょっと気分がよくなった。机に座っているときに感じるいやな感じがちょっと減った。
 何故冬になると(=光が足りないと?)うつになるのか、そして何故強い光を当てるとそれが改善されるのかという仕組みは結局まだよくわからないらしい。しかし単なるプラセボ効果でないことは多くの対照実験で確かめられているとは書いてある。ドーパミンとかセロトニンとかメラトニンとかサーカディアンリズムとかそのへんの乱れに原因がありそうだって話になってるらしいんだけど。
 参考になるサイト