筑波大の登大遊さんという方が少し前に
登 大遊@筑波大学情報学類の SoftEther VPN 日記 - 論理的思考の放棄
http://d.hatena.ne.jp/softether/20070324#p1
というエントリを書いていて話題になっていたんですが、そこで書かれていた仕事の作業能力を上げるためのコツは
1. 努力しないこと
2. 論理的に考えないこと
3. 頭を使わないこと
だという主張がとても面白かった。
で、そのメソッドの実践の具体的なイメージが先日更に追記されていて、この人は別に武道とか気功とかやってないんだと思うけど、そのイメージが「丹田に意識を集中して精神を研ぎすます」という昔から伝えられている伝統的な方法とすごく似てると思った。
登 大遊@筑波大学情報学類の SoftEther VPN 日記 - 論理的思考の放棄の具体的方法
http://d.hatena.ne.jp/softether/20070326#p2
磁石で囲まれた空洞の中央部分に、少し重いけど、手で簡単に持てる程度の鉄球 (鉄を思い浮かべなくても、磁石のような何かに吸い寄せられるような何か) を思い浮かべる。
この状態で、常に鉄球を、磁石によって構成される空間の中央部分に在るかのように想像する。
そういうことを夢中で想像しているうちに、しばらくすると、鉄球が、ずっと中央点に留まっていて、まったく上下左右にぶれなくなるようになる。
まさにそのとき、目的としている作業に 100% 完全に没頭することができる。脳の思考能力の多くを、上記の鉄球と磁石のイメージに費やしているので、無駄な考え (論理的な思考や、無関係なことを思い出すなど) を自動的に消滅させ、「何も考えないで」作業を完了させることができる。
丹田呼吸法とのイメージの相似点としては
- ふわふわしてどこにも力が入っていない感じ
- 外壁ではなく内部をイメージする感じ
というところでしょうか。
昔から武道や気功や仏教やヨガなどでは「丹田」(正確には臍下丹田)というのが重要だと言われている。この丹田の位置は、おへそから指三本分くらい下、指三本分くらい内部のあたり。
この位置には具体的に何があるかというと、別にただ腸があるだけなんですよね。別に腸が重要なわけじゃなくて、何故丹田が重要なのかというと、一つはそこが体を動かすときの中心となる場所で、丹田を意識して動くと全身がまとまって動くことができるからです。動くときに「手だけ」「足だけ」「上半身だけ」「下半身だけ」動くのは美しくもないし効率的でもない。例えば足を動かすときも丹田を意識しながら動かすと、足だけの動きではなく全身と連動した動きになります。
で、もう一つ、ここからは齋藤孝の『呼吸入門』の受け売りなんだけど、丹田を意識することで全身をリラックスさせることができるからです。
体の力を抜いてリラックスさせるというのは意外と難しく、リラックスしようと体を意識すればするほど力が入ってしまったりしがちです。かと言って何も意識しないのも難しい。それならばいくら意識しても力が入らない場所に意識を集中させればそれ以外の部分の力を抜くことができる、ということです。丹田というのは腸しかないわけだから、いくらそこに意識を集めても力みようがないんですね。齋藤氏は「力みの避雷針」という言い方をしていました。
全身の力が抜けて体がすごく楽な感じで、呼吸が深くゆっくりになっているときに、人は最も精神を集中して能力を発揮することができるということです。
「臍下丹田に気を集中する」なんていうとちょっとオカルトとかスピリチュアルっぽいけど、実際はこういう風な、集中して精神を研ぎすますためのイメージなんですよね。武道とかとは全然関係ない文脈で似たようなイメージを思いつくということが面白かった。