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wotopi.jp
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以前にフジテレビの「ザ・ノンフィクション お金がなくても楽しく暮らす方法」で僕の生活を撮ってくれた山田あかね監督が新しく映画を撮ったというので見てきた。
タイトルは「犬に名前をつける日」。内容は、殺処分される犬たちとそれを救う人たちの話だ。現在日本では年間に12万頭もの犬と猫が殺処分されているらしい。僕も猫を飼っているので他人事ではないと思いながら見た。
僕は映画を見るのが苦手で、その理由は集中力が長時間続かないのと、じっと座って同じ体勢を取り続けるのが苦手だからだ。今回もやっぱり45分くらいしたところで集中力が切れてきた。大体いつも、ちょっと疲れてきたなと思って時計を見るとスタートから45分経っていて、もう集中力がないな…まだ終わらないのかな…と思うと60分経っている。その集中力の切れる時間はいつもプラスマイナス5分も誤差がない。映画を見るたびに自分の体内時計の正確さを確認する。
だからこの映画も後半のほうはちょっと印象がおぼろげになっているんだけど、それでもやっぱり面白かったので、見に行ってよかった。
結構ショッキングな映像も多いんだけど、これがこの社会の犬猫に起こっていることの最前線だから、見なきゃいけない、と思わされる。
保健所での殺処分と、それを救出するボランティアの人たち。
悪質なブリーダーは犬猫を繁殖用の機械としてしか扱わずに狭い檻に閉じ込めて足腰が立たなくなるまでひたすら子供を産ませる。
福島の原発20キロ圏内には放置された犬猫や牛がたくさんいた。
そして「殺処分される動物は全て自分が引き取る」と言って広島で数千匹の動物と暮らす中谷さんの情熱は凄い。
思ったのは、やっぱり資本主義や市場原理の論理は、命という問題を扱うには向いてないということ。
業者は儲かるからひたすら犬猫に大量に子供を産ませて大量に販売してしまうし、そしてそれが大量に捨てられ大量に処分されていく。こういうのはやっぱり何か規制が必要なんじゃないだろうか。
「動物愛護センター」と呼ばれる施設で犬猫が殺処分されたり、犬猫を殺すためのガス室が「ドリームボックス」って呼ばれていたりするの、ディストピアSF小説「1984年」で、戦争ばかりやってる官庁が「平和省」、政府に都合のいい偏った情報しか流さない官庁が「真理省」、市民を拷問したり処刑したりする官庁が「愛情省」と名付けられているのとそっくりだなあと思う……。
映画ではそういうダークサイドばかりではなく、犬が人によきパートナーとして寄り添って、力や愛情を与えてくれる面も取り上げてくれるので救いもある。ペットとともに暮らせる老人ホームの話や、震災で避難したけれど犬が心の支えになっているおじいさんの話や、里親探しを頑張るボランティアの人たちの話など。現代のペットを巡る光と闇が十分に描かれていると思った。
- 作者: 山田あかね
- 出版社/メーカー: キノブックス
- 発売日: 2015/10/30
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書籍も出るみたいですね。