phaの日記

パーティーは終わった



 『季刊 短歌ヴァーサス 創刊号』(風媒社)ISBN:4833153203を読んだ。
 責任編集は荻原裕幸。特集記事は「枡野浩一短歌ワールド」と「歌葉新人賞・発表」。若手の歌人による短歌作品、短歌エッセイに、現代詩・俳句・川柳などの隣接ジャンルに目を向けたコラムも揃えている。若い人向けの短歌誌としてかなり充実していると思う。良い雑誌だ。
 枡野浩一の作風が変わっていてびっくり。文語になってるし。これまではそんなに好きじゃなかったけど、少し好きになった。このひとはまっすぐで強い意志を持っていて、それに加えてその意志を適切な言葉でまっすぐぶつける力を持っている。今までは表現してる内容がそんなに好きではなかったのだけど、その意志と文体で哀切さを表現されるとぐっとくる。
 加藤治郎のエッセイは現代のメンヘル的な短歌を、穂村弘のエッセイは80年代の短歌を扱った文で、両方とも興味深く読んだ。あと、早坂類の現代詩に関する文が良かった。現代詩とはこういうことだ、というのが初心者にもわかりやすかった。「詩は表現では無い」か。


 発行元の風媒社のサイトに目次一覧が載っているので御参考までに。サイトから注文もできます。俺もサイトから買いました。