phaの日記

パーティーは終わった

最近面白かった本(2017年10月)



こんばんは。最近はなんかひきこもってマンガばかり読んでいます。寒くなってきて、何をしたらいいのかわからない。体調が微妙にずっと悪くてだめだな。書くことがないので最近読んだ本をメモっておきます。

『銀河の死なない子供たちへ』

銀河の死なない子供たちへ(上) (電撃コミックスNEXT)

銀河の死なない子供たちへ(上) (電撃コミックスNEXT)

何万年も何億年も死なない子供たちの話。『鬱ごはん』とか『バーナード嬢曰く。』とか施川ユウキは前から好きなんだけど、こんなSFで壮大な話をあの絵柄で書くなんてたまらんな。表現力がすごい。続きがどうなるのか楽しみ。

『月に吠えらんねえ』

月に吠えらんねえ(1) (アフタヌーンKC)

月に吠えらんねえ(1) (アフタヌーンKC)

萩原朔太郎ら近代詩人を主人公にした架空の世界の物語なのだけど、たくさん引用される詩がかっこよい上に、戦争に歪められる近代詩というテーマも読み応えがある。 「詩と戦争が結びついていたあの時代がもっとも詩が社会に貢献していたのではないか」とか「日本にとって近代とは何だったのか」とかそんな難しいテーマを漫画で面白く読ませてくれるのがありがたい。

『僕だけがいない街』

僕だけがいない街(1) (角川コミックス・エース)

僕だけがいない街(1) (角川コミックス・エース)

なんとなく読み始めたら面白くて最終巻まで一気に読んでしまった。この人の作品は『菜々子さん的な日常』くらいしか読んだことがなかったのだけど、ちょっとエッチな感じのを書いてもサスペンスを書いても、なんか暖かみがあるなあ……。サイコパスの連続誘拐殺人鬼とかが出てくるんだけどいい話だった。

『恋愛メディアがひろってくれない 童貞の疑問を解決する本』

恋愛メディアがひろってくれない 童貞の疑問を解決する本

恋愛メディアがひろってくれない 童貞の疑問を解決する本

サッと読めるけど、疑問が身も蓋もなく、それに対する回答も切れ味よくてとても面白い。「Q.ヤリマンなのにどうして僕とやってくれないんですか」「A.うるせえな」「Q. OKサインってあるんですか?」「A. 野球かよ」みたいな。女性側から見て男性が陥りやすいポイントを指摘してもらえるのは勉強になるなあと思う。もっと恋愛とかで苦しんでいた若いときに読みたかった……。

『キッズファイヤー・ドットコム』

キッズファイヤー・ドットコム

キッズファイヤー・ドットコム

ホストがクラウドファンディングで子育てするという話で面白かった。海猫沢めろんさんは引き出しがすごく多いなと思う。ホストの独特のノリと、現代の同時代の社会情勢の描写と、近未来SFぽい要素と、そういうのがまぜこぜになってて、しかもちゃんと人間の成長の話になってる。僕もこの話みたいに子供突然拾いたいと思った。家族は苦手だけど子供は好きなので。

『身体を売ったらサヨウナラ』

身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論 (幻冬舎文庫)

身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論 (幻冬舎文庫)

鈴木涼美氏、ウェブでたまに見かけているときはそんなにピンとこなかったのだけど、たまたまよく行くサウナに本が置いてあったので紙で読んだらなんかしっくりきて、違和感なく面白く読めた。こういう作家昔からいたなみたいな感じで紙のほうが雰囲気出る文章だと思う。自分とは全然縁のない夜の世界の話は面白く読める。僕も鈴木涼美みたいに、「ワタシはこれが好き、ワタシはこれが欲しい」ってワガママに書いていきたい、とか思った。

『夜空はいつでも最高密度の青色だ』

夜空はいつでも最高密度の青色だ

夜空はいつでも最高密度の青色だ

最果タヒのことは前から気になっていたのだけど手が出せなかった。なんか読んだら殺されそうな気がして。殺されそうというのは、自分が時代遅れでセンスがないということを思い知らされそう、という意味です。沖縄に行ったときなんかふと殺されてもいいやという気分だったので買った。旅先で本を買うのが好きだ。いつもだったら買わないものを買ったりするから。
実際読んでみて、殺されそうというのはちょっと別のものをイメージしすぎていたかもしれないけど、予想通りとてもクオリティが高い。詩はそんなに得意じゃないのだけど最果タヒの言葉はなんかするする入ってくる。切なさの全力疾走みたいな感じ。

『天の川銀河発電所』

天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック

天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック

54名の俳人の紹介と句について集めた現代俳句ガイドブック。とりあえず俳句に興味を持ったらこれを読むというのでよいんじゃないだろうか。少しずつ読んでいる。冒頭の福田若之氏の句が知的かつ鮮やかで爽やかな感じでよいな。「歩き出す仔猫あらゆる知へ向けて」「完全に菊で余韻に欠けている」とか。
短歌版として『桜前線開架宣言』もある。

桜前線開架宣言

桜前線開架宣言