火曜日の稽古では「あ、これこないだコンタクト・インプロヴィゼーションのワークショップでゆってたことと一緒やな」と思ったことがいくつかあった。
happy fingers
コンタクトのワークショップで先生(外人)が、腕をくねくね振りながら「こんな風に手をやわらかくぶらぶらさせてみてくださーい」って英語で言った(通訳付き)。みんな先生の真似をして手首から先を振りはじめたのだけど、先生はすぐにそれを止めさせて、「もっと指が happy だって感じでやってみて。これはゾンビのオーディションじゃないよー。もっと happy fingersで!」って言った。"happy fingers"。かなり気に入りましたこの表現。
先生は頭を振るときにも "happy head"って言ってたし、よつんばいになるときも "happy horse(ウマ)"とか"happy lizard(トカゲ)"で、っていう表現を使ってた。happyを意識してからだを使うと、軽くてしなやかで好奇心とエネルギーにあふれてる感じになるね。
あともうひとつ、happy のほかに使っていた表現が、「オイシー!」(これは日本語で言ってた)。指や腕を空間の中で動かすとき、その動きや空気の流れをゆっくり味わいながら、「オイシー!」って感じながら動かすの。これもすごく良い表現だと思う。
で、こないだ合気道の稽古で先生が言ってたのは、相手に手首をつかまれたとき、決して腕に力を入れて固くしてはいけない。手の平は力を入れないように軽く開く。そして、「その軽く開いた手の平からパァーッって花火が出てるように感じてな。パチパチパチーって」って言ってた。それを聞いて、「あ、これ happy fingers と同じだな」と思いだした。花火の例えもいいよね。
flying feeling
コンタクト・インプロヴィゼーションというのはパートナーと触れあいながら即興で踊るダンスなんだけど、踊りながら自分のからだの上に相手のからだを乗せる、ということもするのです。四つんばいになった相手の上に仰向けに背中で乗るとか。その乗る側の人の心もちとして先生が言ったのが "flying feeling" だった。flying feeling を感じていれば軽々と動けるらしい。
上に乗る人の気持ち(=姿勢や重心)によって下の人が感じる重さが変わってくる。どんな場合でも上の人の体重が変わるわけではないので不思議だけど(「赤ちゃんを抱いてて、赤ちゃんが眠ると急に重くなる」ってワークショップで一緒だった人がゆってた。経験ないんでわかんないんだけど本当?)。で、上の人が flying feeling を感じていれば、下の人が感じる重さも軽いとか。
60kgの自分が相手の上に乗ってるとき、自分から相手に60kgの圧力がかかってる。でも、それと同時に相手から自分にも60kgの力がかかっている(そうでないと支えられない)。その相手からの力を感じるんだ、って先生は言ってた。
そういう理論的な話がなくても、確かに心もち次第で自分の感じる自分の重さって違ってくるんだよね。不思議だけど。
で、合気道ではこの自分の重さのコントロールがとても大事だったりする。この間の稽古で先生が言っていたのは「浮き身」という概念だった。
まず、自分の体重をべったりと足の裏で感じる。足の裏しか感覚がない、自分が足の裏しかいないくらいのつもりで感じる。そこから、少し気持ちをからだの中を垂直に上げてみる。腹のあたりまで上げてみる。すると、確かに自分の体重が軽くなった感じがする。さらに胸のあたりまで上げて、もっともっと上げて「自分の頭の上に足の裏があるような感じでな」って先生は言ってた。 そしたら確かになんかちょっとふわふわした感じがするんだよな。軽く動ける感じ。不思議ー。
で、相手を投げるときは、その頭の上にある自分を一気に下まで落としてきてそれを相手に伝えると、相手にはものすごい重さがかかってきて耐え切れない、ということになってるんだと思う。うちの先生は70過ぎのおじいちゃんなんだけど、投げはすごく重いのです。