phaの日記

パーティーは終わった

シェアハウスについて考えたこと



前回の記事シェアハウスと民主主義 - phaの日記で書いたイベントで話したことや話し足りなかったことなどを雑然とメモ。


  • 「新しい家族」としてシェアハウスを作るってのもありだと思うんだけど、僕はどうせなら家族とは違うタイプのものがほしいと思う。そのほうが居場所の選択肢が増えるから。
    • 家族=繋がりが強い。それは束縛にもなるが、多少のことでは見捨てられないという安心にもなりうる。
    • シェアハウス=繋がりが弱い。いやになったら別の場所にすぐ行ける流動性があるが、それはコミュニティの不安定さにもなる。
      • その二つのどっちもをうまく利用できると良いんじゃないかと思う。
  • 運営側の観点としては、流動性が高すぎると疲れるというのもある。
    • 僕は7年くらいシェアハウスやってるんだけど、同居人は結構入れ替わっている。
    • 若い単身者は結構生活の変化が多いので頻繁に引っ越しやすい。転職とかオフィス移転とか里帰りとか恋人ができたとか結婚とか。
    • ずっといる人もいるけど、みんな1年や2年で出て行ったりするので、7年やってると住人が3サイクルか4サイクルくらい回って行く。
    • 住人が入れ替わるたびにコミュニティを作り直すのがちょっとめんどくさくなったりする。
      • 「流動性の高さ=自由、不安定」「流動性の低さ=不自由、安定」というのはどうしようもないので、うまくバランスを取りたい。
  • シェアハウスといっても本当にいろいろあって、「不動産業者がやってる共有部分付きアパートのようなもの」から「友達同士がやってる小規模なもの」までいろいろある。
    • 「助け合いのコミュニティ」と「ビジネスとしての物件運営」というのもバランス取るのが難しい。
    • ある程度お金を取らないと継続しないし、一部の人に負担がかかる
    • 個人がやってるシェアハウスのほうが面白いものが多いけど、主催者のやる気や経済状況に依存するので、継続しにくい。
      • 「金銭的にちゃんと回るようなビジネスの意識をもっと持つべき」というのは一つの方向性
    • 大学の自治寮なんかは、人が入れ替わりつつも自治精神みたいなのをずっと引き継ぎつづていて、ああいうのができないかと思ったりしたんだけど、
    • 大学の施設ということで金銭的に余裕がある
    • 大学生に住人が限られることである程度の秩序を保ちやすい
      • という面も大きかったなあ、と思う。
    • クラブやサークルの部室とかもそういう面があって、学校を出てから新しくそういうの作るといろいろ大変だなーと思う。
  • シェアハウスって、結局「個人の部屋+共有スペース」という構造なんだけど、それだったら一軒の家の中に限定せず、「知り合い同士で近所に住んで、みんなの溜まり場的な場所を作る」というのでもいいなと思う。「みんなで同じマンションに住む」とかでもいいけど。
    • 恋人ができたり結婚とかしたりするとシェアハウスに住みにくいけど、そうした形なら家族も参加しやすい。
    • そういうのいいなとは思うけどどういう風に推進して実現したらいいかはよくわからない。どっかお気に入りの町を作って「みんなで高円寺に住もう」とか呼びかけたりするのかなー。
    • 「みんなで部室的な部屋を一つ借りよう」とかした場合、そのうち人が来なくなったりしやすい。
      • 常に常駐している人がいないと人が集まりにくい。そういう意味で「住居」も兼ねていると、常に人がいるので強い。
  • 結局コミュニティというのは流動的というか、生まれたり消えたりしていくものだと思う。
    • 長く続いているところでも微妙に人が入れ替わったり性質が変わったりし続けるもの。家族だってそう。
    • だからまあ、一つのところが潰れても、その遺伝子は受け継がれてまた新しい場所が生まれていく。
    • ただ、立ち上げのハードルがもっと下がれば、居場所的なものをたくさん作れるのにと思う。具体的には貸してくれる家を探す手間や、敷金礼金など。まだまだシェアハウスで貸してくれる物件を探すのってちょっと大変だったりするから。

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