phaの日記

パーティーは終わった

ときどきいろんなことが決められなくなる



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何かを決めるというのがすごく苦手で、AかBかのどちらかを選ばなきゃいけないという場合どちらがいいかいつも分からなくなってパニクってしまう。特に、咄嗟の判断が必要な場合、大体あたふたしてしまって選択を間違えているような気がする。
決めるといっても別に人生の大決断なんかではなくて、日常のほんの些細なことでも決めるのが苦手だ。例えば飲食店に入るとき、どの席を選ぶかが決められなくていつも動揺する。だって考えなきゃいけない要素が多すぎる。窓際の席が眺めがよくていいのか、それとも外から見られると落ち着かないから奥まった席のほうがいいのか、でもトイレの側の席は落ち着かないかもしれないし、窓際だと日差しも気にしないといけないから方角も重要だ、そもそも一人で4人用のテーブルを使ってもいいのか、他の客と離れてる席がいいのか、大きな声で喋ってる集団はいないか、若いカップルの隣とおばさん集団の隣とならどちらのほうが落ち着けるのだろうか、他いろいろいろいろ。店に入った途端にそんなたくさんの状況判断が一斉に襲いかかってきて、訳が分からなくなってしまう。
飲食店の席選びだけに限らず、日常生活は判断しなきゃいけないことで溢れている。数種類あるランチからどれを食べればいいのか、買い物はどのスーパーに行けばいいのか、スーパーではどの野菜をどれだけ買えばいいのか、出かけるときには鞄に何の本を入れていけば最も退屈しないのか、気分が落ち込んだときにはどの音楽を聴けば一番気分がマシになるのか、前から人が歩いてきたら右によければいいのか左によければいいのか立ち止まるべきなのか。日常の中でそういう小さな選択をせまられるたびにプレッシャーを感じる。

大体、ちゃんと点数が付いてないのが悪いのだ。ゲームだったら、この剣は攻撃力が58、こっちの剣は攻撃力が65、とちゃんと数値化されているから比較しやすい。それなら「58<65」なのはすぐ分かるし迷わない。
だけど現実だと「この剣は攻撃力は高いけど持ちにくいしデザインがダサい」とか「この席は静かだけど椅子の座り心地が悪い」とか、評価を一元的な数字で表せないから判断をするのがすごく難しくなる。
そうして僕は選択のたびにテンパッて、また完璧な選択ができなかった、と落ち込んでしまう。世の中の全てが数値化されていてどれを選べば一番良いかがひと目で分かったら、死ぬまでずっと最善手だけを指していけるから迷わなくていいのに。

The Velvet Undergroundの”Candy Says”という曲にこんな歌詞がある。

Candy says
I hate the big decisions
That cause endless revision in my mind


(キャンディは言う。私は大きな決断が嫌い。だって、「ああすればよかったかもしれない」ってずっと心の中で悩みつづけてしまうから)

僕もそんな感じだ。どれがいいかなんてそのときの気分次第でも変わるから、今選んだものが後ではやっぱり違ったということもよくあるし、本当の正解がどれなのかなんて判断できるわけがない。何も決めなければ決断に失敗することはないから、ずっと何も決めないでいたい。

The Velvet Underground

The Velvet Underground

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