ずっとダメ人間に憧れていた。
小さい頃からずっと、学校に適応することや友達を作ることが苦手だった。世間の普通から外れて飄々と生きているようなアウトローな人に憧れがあって、中島らもの本などをよく読んでいた。らもさんの本にはどこか変で普通の社会には適応できないけれど魅力的な人たちがたくさん描かれていて、僕もこんな感じで生きていけないだろうか、と思った。
学校は苦手だったけど学校を辞めるほどの勢いがあるわけでもなく、何となく周りに合わせて生きていた僕は、とりあえず大学に進学し、なんとなく就職をしたのだけど、やはりうまく適応できずに仕事は3年ほどで辞め、ニートを名乗って東京へと出てきた。
宗教っていいよね
こないだ友人たちとお酒を飲んでいたとき、宗教っていいよね、という話になった。
そもそもは雅楽の話をしていたのだけど、そこから雅楽と天理教の結びつきが強いという話になって(天理教の家の子はそのへんの中学生がギターやピアノを始めるような感じで雅楽を始めたりするそうだ)、そこから天理教の話になっていった。
天理教はそんなに派手に外向きの活動はしてないけれど、信者は多く日本の各地で着実に活動しているらしい。仲間同士の結び付きも強く、何かあったときは信者のネットワークをたどって協力し合う。
「自分がもし身寄りの無い年寄りで、家族も友達もいなくて寂しく一人暮らししていたとしたら、誰かが定期的に訪ねてきてくれたらそれだけでものすごくうれしくない?」
それはすごくいいなと思ったし、そういう役割を果たしているのは、宗教か家族くらいしか現実的には存在しないのかもしれない。
同じ宗教の信者なら仲間が家を訪ねてきてくれたりもするし、活動に参加して一体感を得ることもできるし、困ったときは仲間同士で協力し合えたりもできる。
創価学会が勢力を広げたのも、戦後の成長期に農村から都市部に人が集中したときに、地域的なコミュニティから切り離された人たちの受け皿としてのコミュニティの役割を果たしたからだとなんかの本で読んだ気がする。
僕もそもそもそういうコミュニティを作りたい気持ちがあった。
家族でもムラでも宗教でもなく、そういうところから弾き出された人が、ゆるく助け合うような人の繋がり。そういうものがあれば自分や自分の周りにいるような人がそれなりに生き延びられるのではないかと思っていた。
だけどそれは結構難しいというのを日々感じている。
友達の繋がりとかシェアハウスの繋がりというのは結構弱くて、一時期仲良くしていても、引っ越しや転職や揉め事や結婚やその他いろいろの現世的な事情で、何年かするとなんとなく会わなくなってしまっていることが多い。
放っておくと人はどんどん孤立してバラバラになっていく。
なにかやっぱり、信仰とか血縁とか、そうした軸になるものがないとだめなのだろうか。
かといって今さら宗教を信じるようなこともできそうにないし、神のいないこの世界で何とかやりくりしながら生きていくしかないのだけど。
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関連エントリ
酒を飲むようになった
僕は今37歳なのだけど、この歳にしてなんか最近突然酒に酔うやり方のようなものが分かって、よく酒を飲むようになった。
まあ今までも人と会うときなどは飲んでたんだけど、うまく酔いに乗りきれないところがあって、「飲んだらちょっと楽しい気がするけど飲まなくても別にいいか」くらいな感じだった。前は一人のときは絶対飲まなかったけど、最近は一人でも飲んだりしている。
ポイントとしては、今まではわりと四六時中、「クリアな頭で物を考えていたい」とか「起こったことを全て覚えていたい」とか思っていた。せっかく世界にはこんなにいろいろ面白いことがあるのに、考えたことや起こったことを忘れてしまったらもったいないじゃないか。だから飲み会の途中とかでもしょっちゅうメモを取ったりしていたし、ツイッターやブログにいろいろ書くのも覚えておくためにやってるようなところがあった。
でも、なんか最近そういう欲求を手放して、「考えなくても覚えてなくても別にいいか」と思えるようになって、遠慮無く酒に酔えるというか、酒の酔いに乗って行けるようになった気がする。
考え続けると頭が疲れるし、僕なんかがいくら考えたところで大して面白いことを思いつくわけじゃない。理性や知識が必ずしも人を幸せにしてくれるわけじゃない。いろんなものを手放しながらラクに生きていこう。さよならだけが人生だ。
サウナとサ道について
幻冬舎の旅連載が無事更新されました。よかったですね。後編の更新は8月28日の予定です。
www.gentosha.jp
内容はサウナについてなのですが、サウナに興味を持つきっかけとなったのは文中に書いてある通りタナカカツキさんの『マンガ サ道』という本です。
マンガ サ道?マンガで読むサウナ道?(1) (モーニングコミックス)
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『マンガ サ道』の第一話はこちらから試し読みできるのでよかったらどうぞ。
morning.moae.jp
あとタナカカツキさんが描いてるこの読み切りマンガも参考になります。
srdk.rakuten.jp
なか卯1号店の思い出
立ち食いそばや牛丼などのB級の食べ物についてひたすらうんちくを語る『めしばな刑事タチバナ』というマンガが好きでつい読んでしまうのだけど、そういう感じでなんとなく思い出したこと。
めしばな刑事タチバナ(1)[立ち食いそば大論争] (TOKUMA COMICS)
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昔大阪に住んでいたとき、行動範囲の中に牛丼チェーンのなか卯の第1号店があった。
そこは少し内装が古い感じがするくらいでほとんど他のなか卯と変わるところはないのだけど、一つだけ特徴があって、きざみねぎと天かすが入れ放題なのだった。
それはうどん屋ならときどき見るサービスだけど、牛丼屋であるのは珍しい。
なか卯は牛丼などの丼もの以外にもうどんにも力を入れているので、そのせいだろう。なか卯のうどんは結構好きだ。
僕がなか卯1号店に行くたびに楽しみにしていたことがあって、大体想像が付くかもしれないけど、牛丼の並を頼んで、そこに天かすときざみねぎをたっぷりと載せて、「天かすねぎ牛丼」を作るのだ。
このトッピングが店的に正式に許されていたものなのかは分からないが、注意されたことはないし、僕以外にもやってる人を見かけたことがあるので、まあ公認だったのじゃないかと思う。
天かすねぎ牛丼の味はまあ単純に天かすとねぎと牛丼を足したような普通の味だけど、牛丼の柔らかさに天かすのサクサク感とねぎのシャキシャキ感が混ざることで飽きにくくなり、ジャンク感とお得感があって楽しいものだった。
それから月日が経ってもう長いこと東京で暮らしているのだけど、さっきググッてみたらなか卯1号店は2005年に閉店してしまっていたらしい。
月日は過ぎていくなあ……、というめしばなでした。
スーパー銭湯の思い出
もう先週の話ですが、幻冬舎プラスの連載が無事更新されていました。よかったですね。今回はスーパー銭湯の話で次回はサウナの話になる予定です。
今回書いた「マンガがたくさんあってオッサンがひたすらダラダラしてるオッサンの楽園」感のあるサウナのイメージの元となったのは大阪梅田の大東洋です。昔よく行ったけどまた行きたい。
京都だと河原町三条にあったサウナにたまに泊まってたけどこないだ京都に行ったらなくなっていた。
その代わりに祇園にあるルーマプラザというところに行ったらなかなか良かったです。マンガもあるし、屋上で東の山を見ながら外気浴ができるのがいい。
あと大阪のスーパー銭湯だとスパワールドが良いですね……。とにかく広くていろんなお風呂があってゴージャス。1200円はかなり安く感じる。交通の弁も悪くないし。
そういえば前に大阪の鶴橋で行った延羽の湯も良かった。韓国のチムジルバン(汗蒸幕)ぽい感じで蒸し系の風呂がたくさんあって、マンガがかなり大量に置いてあって館内着で寝転んでだらだらするのが最高な感じだった。
他にもおすすめのスーパー銭湯があったら教えてください。
近況
幻冬舎の旅連載の3回目が更新されました。よかったですね。次回はスーパー銭湯について書く予定です。
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奥野に勧められてから最近柴田聡子をよく聴いている。
柴田聡子は言葉の運動神経がいいなと思う。
ある言葉からいきなり違う言葉へとひらひらと飛び移っていく様や、音節をあまりしないようなやり方で自由に区切って歌いこなしていく様など、キレの良い動きでくるくると回り続けるダンサーみたいだ。
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近況
旅についての連載が始まります
幻冬舎のサイトで旅や移動をテーマにした連載を始めることになりました。月二回、13日と28日に更新予定。
高速バスで移動して牛丼を食べてスーパー銭湯や漫画喫茶に泊まるというような、ダラダラした旅(みたいなもの)について書いていきたいと思います。よろしくお願いします。