小笠原諸島の父島に23日にわたって滞在しているけれど僕はほとんど人とも話さずダイビングとか観光をするでもなくて、毎日何をしているかと言われると「日光を浴びている」というのが一番正しいと思う。日中は大体島を歩き回ってるか、海の側に座りこんでぼーっと日光浴しているかのどちらかだ。
小笠原諸島は沖縄と同じくらいの緯度にあって沖縄と同じく亜熱帯気候に属する。冬でも最高気温は20度、最低気温は16度、みたいな気温で、コートなどの必要はない。天気がいいと日なたではTシャツ一枚で外に出ても大丈夫なくらいだ。気温は東京の春とか秋くらいなんだけど、緯度が低いせいで日光の強さは東京の夏くらいあるので、なんか変な感じがする。
ぼんやりと日光を浴びながら思ったのは、冬の亜熱帯というのは太陽をひたすら楽しむのにはちょうどいいのかもしれない、ということだ。夏の温帯や亜熱帯、もしくは一年を通しての熱帯では、日光は強いんだけど気温も高いので、ずっと日なたにいると体温が上がり過ぎて疲れてしまうけれど、今の小笠原くらいの気温だと日が翳って風が吹くと少し寒いくらいで、それくらいの気温だと強い太陽の日差しを長時間浴びていても暖かくて快適なままだ。日当たりのいい海辺に寝転んで太陽の強い光と熱を受け続けていると、全身が真っ白な光で満たされて全てのことがどうでもよくなって、体も心も全部どろどろの不定形に溶けていきそうで危険だ。ずっとこうしてたい。
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